知人と会話している時のことです。
電子マネーについて話していると、知人の口からJCB、アメックス、Edy、QUICPayといった用語が自然と飛び出てきます。
もしかして、クレジッドカード愛好家では…?
と思ったので確認すべく
私「メインカードは何ですか?」
と尋ねて見ました。知人は少し躊躇った後に、
知人「JCBカード」
と言いました。さらに突っ込んで
私「プロパーカードですか?」
知人「そうそう」
私「なんでJCBプロパーなんですか」
知人「…」
私「もしかしてザ・クラスですか」
知人「…そうだよ」
なんだか無理やり聞いてしまったようで知人には申し訳ないと思いましたが、まさかこんな身近にザ・クラスホルダーがいるとは思いもしませんでした。
私自身もJAL JCBプラチナ保有者であることを話し、会話はますますクレジットカードの話へ。
話の中で、私が冗談交じりに放った言葉に対する返答が、思いの外印象に残りました。
私「〇〇さん、ザ・クラス持ってるなんてお金ありますね。」
知人「いや、金はそんなにないんだよ。ただ、カードで払った額が多いだけ。ザ・クラスを持っている人の年収は必ずしも高い訳ではないんだよ。ザ・クラスを持っている人はカード決済額が多いだけだよ。」
おもわず、なるほど、となる返答でした。
たしかにプラチナカードは高ステータスカードと言われていて、プラチナカード保有者=高年収とのイメージがあります。
ですが実際のところは、年収によってカードの色が変わるのではなく、カード決済額の多寡で券面の色が変わるだけなのです。
たとえば、どんなに高年収でも、支出のほとんどを現金で決済している人にはプラチナカードへのインビテーションは来ないでしょうからね。
さて、私自身どうだったかというと、カード決済額が多い人間であったことに気づきました。
たしか、社会人の一年目からカードの年間決済額は100万円を超えていたような気がします。中小企業の新卒社員程度の年収でしたが、出張が多かったため経費立て替えで年100万円以上をカード決済していたのです。
これが何年か続きましたから、二十代前半の若造でもザ・クラスのインビテーション基準は満たしていたかもしれません。ただ、仮に保有していたとしても、一般的なザ・クラス保有者像とは大いに異なっていたと思います。
冒頭の知人の言葉や私自身のことを踏まえると、プラチナカードを持っているからといって即ハイステータス(高収入)とは断言できず、単にカード決済額が多いということが言えるだけです。
そう考えるプラチナカードのステータスは幻想と言えるかもしれません。高年収でなくても持てるのですから。
少なくともプラチナカードの取得を目指すために日々決済を積み重ねる利用層は、プラチナカードの持つ本来の意味での高ステータス層とは異なる、ということは言えそうです。あえて皮肉な言い方をすれば、カード会社から認めてもらうために日々決済に尽くしている層とも言えるかもしれません。
「プラチナカードはステータスというよりも、カード会社への忠誠の証なのか…」
プラチナカードは、そのカードの持つ華やかなイメージとは裏腹に、カード会社への忠誠度を示しているようです。その様子はまるで、王様(カード会社)と家来(カード利用者)の関係のようです。そんな事に気づき、なんともいえぬ感情を抱いたのでした。