出発ゲート付近で行われる搭乗客の大捜索。万が一搭乗しない場合はどうなるのか。

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飛行機を何度か利用していると必ず目にする光景があります。それは出発ゲート付近で行われる搭乗客の大捜索。グランドスタッフが付近を走り回り、大声で「〇〇行き〇〇便にご搭乗の〇〇様いらっしゃいませんか〜!間も無く出発しま〜す!」という光景を見たことのある方も多いのではないでしょうか。

今回はこの必死の捜索にも関わらず、搭乗しない場合はどうなるのか調べて見ました。

なお、今回の記事については(株)ANA総合研究所の「エアラインオペレーション入門 改訂版(Amazonへのリンク)」を参考にして、随時引用しております。

エアラインオペレーション入門 改訂版(Amazonへのリンク)

 

 

必死の捜索は顧客のためだった

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まず、そもそも必死の捜索を行う理由ですが「搭乗客が搭乗の意思を示しているから」です。

チェックインはお客様の搭乗意思を示すものになります。搭乗意思がある(乗るはずの)お客様が搭乗案内時間を過ぎてもゲートに来られない場合にはお客様を探します。エアラインオペレーション入門 改訂版 125P)

搭乗する意思のある人が搭乗しないのであれば、乗客にトラブルが発生していると考えるのが普通です。何としても顧客に搭乗してもらうため、航空会社としてできる限りのことをしているのですね。

(時間通りに乗らないなんて客の怠慢だろう、という考えもありますが、これではまさに殿様商売の典型例となってしまいます。客に起因しない外的要因で搭乗できないと考えるのが普通で、搭乗できない責任を全て顧客に押し付けるなんて企業姿勢は関心できません。)

さて、必死の捜索も大事なのですが、定時運行の遵守もまた交通機関として大切にしなければならないこと。残念ながら出発時刻を過ぎれば飛行機は出発します。

 

乗り遅れた場合、受託手荷物は降ろされる

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残念ながら予定の便に搭乗できなかった場合、受託手荷物は降ろされます。これは保安・安全性確保のためです。

「お客様と手荷物は同一便に搭載されること」が原則であり、運航の保安・安全上、お客様とは別に手荷物だけを目的地まで運ぶことはできないからです。エアラインオペレーション入門 改訂版 125P)

手荷物の返還は顧客のためでもありますが、なによりも保安・安全性の確保のためです。

受託手荷物だけ運ぶというのは運航上危険です。あっては欲しくないのですが、本人は搭乗せず、爆発物といった類のものを悪意で預けている人もいるかもしれませんしね。

 

まとめと参考にした書籍の紹介

常々気になっていた出発ゲート付近で行われる搭乗客の大捜索。仮に搭乗できなかったらどうなるのか、ずっと気になっていました。答えが分かってすっきりました。

今回参考にさせてもらったのは以下の書籍です。

エアラインオペレーション入門 改訂版(Amazonへのリンク)

題名が示す通り、航空業務が一通り説明されています。

航空の歴史から始まって職種別(整備士、パイロット、CA)の業務内容、グランドスタッフや運航管理者の仕事が詳しく書かれています。

個人的に面白いと思ったことは、普段我々の目に直接つくことのない仕事も紹介されていることです。例えば旅客営業や貨物営業の仕事も紹介されていて、旅客営業でいえば予約・発券システムのINIFINIや旅行商品の流通の仕組みが紹介されています。

ちなみにコンピュータシステムまで取り扱っており、ANAのシステム系統(設計)まで紹介されています(ワークフローを分析して、システムを業務の流れとデータの流れに分けて説明しています。ここまでして、誰得なのでしょうか…)。

なんにせよ、この本のおかげで、単に飛行機のサービス(マイルやラウンジ)を楽しむだけではなくなりました。一歩踏み込んだ航空知識を身につける手掛かりとなる良著だと思います。